デレステをiPhoneとBluetoothイヤホンとで音ズレなく遊ぶ方法
TL;DR (要約)
- Lightning - USBカメラアダプタとUSBデバイスBT-W2、ワイヤレスイヤホンCX 6.00BTを購入
- iPhoneにアダプタを差し、アダプタにデバイスを指し、デバイスとイヤホンをペアリングすると完成
- 総工費は約2万円。
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- ワイヤレス イヤホンCX 6.00 BT: http://amzn.asia/d/72Gjauv
はじめに
みなさんはiPhoneを使っていますか? 林檎信者であればもちろん、一般の方も使われると思います。
iPhoneはもともとはiPodの延長上で音楽を聞ける携帯電話として、発展してきた経緯があります。 そんなiPhoneでは、最近、イヤホンジャックをなくし、無線イヤホン(AirPod)などで音楽を聞くスタイルを提案しております。
しかし、このスタイル、音楽を聞く際にはそんなに問題になりませんが、 音楽を楽しむゲーム、いわゆる、音ゲーでは深刻な問題が発生します。
その問題とは、
「ボタンを押してから音が聞こえるまでにズレが生じるという問題」
です。せっかくなので、この問題を往年の漫才師をパクって、
「いっこく堂問題」
と呼ぶことにします。
本記事では、このいっこく堂問題の原因を説明し、 その解決策と効果について考察していきます。 結構長くなるので、「そんなもの読んでられないよ」、 という読者の方は最初のTL;DRに従って問題を解決してください。
それでは問題について分析していきましょう。
原因の分析
いっこく堂問題の原因は無線規格Bluetoothの音声コーデックによる通信遅延と考えられます。 デフォルトのコーデック、SBCの圧縮解凍時間はおよそ200msかかります。 人間は100ms以上のズレが発生すると、映像と音のズレを認識してしまうと言われています。
解決策
そこで、100ms以下の圧縮解凍時間を保証しているaptX Low Latency(以下、aptX-LL)を音声コーデックとして今回採用します。 aptX-LLは音声の圧縮解凍時間を40msまでに抑えています。 これにより、音声のズレを認識できなくするという技術です。 残念ながらこの技術はiPhoneには使えないので、iPhone側からはUSB音声デバイスと見える特殊なBluetoothトランスミッターBT-W2を使うことにします。 つまり、iPhone側から流されるデジタル音声をBT-W2でaptX-LLに変換してからイヤホン側に送信します。 なお、iPhoneはUSB端子を持たないため、Lightning - USBカメラアダプタにより、USB端子を使えるようにします。
また、音楽を再生するイヤホン側もaptX-LLに対応している、ゼンハイザーのワイヤレスイヤホンCX 6.00BTを使用します。 BT-W2とCX 6.00BTをペアリングすると、自動で音が送られるようになります。
最終的に、アイキャッチのような状態になります。
実験
実際にどれぐらいズレが抑えられるのか、主観的に評価してみましょう。
実験手順
実験手順はとても簡単です。主観評価するための実験手順は以下のとおりです。
実験結果
実験手順に従い実際に実験を行ってみました。
主観評価
SBCははっきりとしたズレを感じますが、 aptX-LLではズレを感じることがありません。
考察
いっこく堂問題はたしかにaptX-LL対応によって解決されました。 しかし、他に方法はないのでしょうか。 実はaptX-LLでなくとも、普通のaptXでもそれなりにズレを抑えることができます。 ただし、やはり、ズレを主観的に感じられてしまう問題があります。
先日、aptX-LLの上位規格、aptX Adaptiveが発表され、最速2msに抑えられるようになるそうです。 また、ズレだけでなく音質も向上するそうです。 Android他では、対応機種は2019年からだそうなので、今しばらく時間がかかりそうです。 しかし、いっこく堂問題を解決する期待の技術ではあるでしょう。 なお、iPhoneでは未定です。
結論
aptX-LLでいっこく堂問題を解決できました。 みなさんもお金に余裕があったら試してみてください。 お金のない人は有線でがんばってください。
トラブルシューティング
- 音が聞こえない。
- まず、トランスミッターが青く光っているか確認しましょう。
- トランスミッターが青く光っているのに音が聞こえない。
- マナーモードを解除しましょう。
- トランスミッターの光が消えている。
- iPhoneからの給電が途絶えています。アダプタを刺し直しましょう。
FAQ
- Lightning - USBカメラアダプタは純正でないとだめなのでしょうか。
- 純正であるものを強くおすすめします。筆者もさまざまなサードパーティ製アダプタを試しましたが、トランスミッターへの給電がうまくいかないためにブチブチ接続が途切れる問題が発生しました。
- 他のコーデックはどうなのでしょうか
- 他のコーデックではAACが考えられますが、あまり遅延のことを考えられていないのでずれてしまうようです。ただし、LDACだと主観的にズレは感じられないという報告もあります。
参考文献
- ワイヤレスイヤホンだと音がズレてしまうリズムゲームでズレなく快適に遊ぶ方法 | 面白いアプリ・iPhone最新情報ならmeeti【ミートアイ】
- BT-W2とaptX-LLヘッドホンでワイヤレス音ゲー - 最大公約数な生き方
- ゲームを遅延無しで楽しむ!『Apt-X Low Latency』に対応したBluetoothヘッドホン「AUSDOM」が最強すぎる! | クロレビ!
- Qualcomm® aptX™ Low Latency Synchronised Audio
- Qualcomm® aptX™ Adaptive
- レート変動でBluetoothが途切れにくい「aptX Adaptive」。対応機は'19年半ば - AV Watch